こんにちは。
これから中古住宅の購入を考えている方にとって、心配の種となるのが「シロアリ」と「雨漏り」です。見た目がきれいでも、実は床下や屋根の中で被害が進行しているケースも多く、購入後に多額の修繕費が発生してしまうことも少なくありません。そこで今回は、住宅診断(ホームインスペクション)で確認できる「シロアリ」と「雨漏り」のリスクについて、専門的な視点からわかりやすく解説します。
シロアリ・雨漏りリスクが中古住宅で重要な理由
中古住宅は築年数が経過しているため、建材の劣化や施工当時の防水・防蟻処理の性能が低下している可能性があります。シロアリは床下や基礎の小さな隙間から侵入し、木材を食べて家の強度を低下させます。一方、雨漏りは屋根や外壁の防水層が劣化することで起こり、建物内部に湿気や腐朽を広げる原因になります。どちらも目に見えにくく、素人では発見が難しいため、住宅診断でプロのチェックを受けることが大切です。
シロアリ被害の診断ポイント
床下・基礎部分のチェック
シロアリは暗く湿った場所を好むため、床下の点検は欠かせません。基礎のひび割れや、配管周りの隙間は侵入経路になりやすく、診断士は床下に潜って懐中電灯で詳細に確認します。
木材の腐朽や食害痕
床下の束柱や土台部分にシロアリの食害痕や空洞化が見られる場合、被害が進行しているサインです。木材を軽く叩くと空洞音がする場合も要注意です。
湿気や通気性の確認
床下に湿気がこもっていると、シロアリの繁殖条件が整います。換気口が塞がれていないか、断熱材の施工に問題がないかも診断のポイントです。
雨漏りリスクの診断ポイント
屋根や外壁の劣化
瓦やスレート屋根の割れ、コーキング材のひび割れ、外壁塗装の剥がれは、雨漏りの前兆です。特に築20年を超える中古住宅では、防水処理の寿命を迎えている場合が多いため注意が必要です。
室内のシミ・カビの有無
天井や壁紙にできたシミ、押し入れやクローゼットのカビ臭は雨漏りのサインです。診断士は赤外線カメラなどを用いて、目に見えない部分の雨漏りリスクも調べます。
雨漏り調査の方法
専門業者による散水調査や赤外線サーモグラフィー診断を活用することで、雨漏りの位置を特定できます。住宅診断で疑わしい箇所があれば、追加調査を検討するのが安心です。
シロアリ・雨漏りを放置した場合のリスク
シロアリ被害を放置すると、柱や梁の強度が著しく低下し、地震時に倒壊リスクが高まります。雨漏りを放置すれば、カビや腐朽菌が広がり、健康被害や大規模な修繕につながります。中古住宅の購入後にこれらが見つかれば、数百万円規模のリフォーム費用がかかることもあります。
診断の流れと費用の目安
一般的な住宅診断では、建物の外観、室内、床下、屋根裏の目視確認を行い、必要に応じて機材を用いた調査が追加されます。
- 基本診断:5〜7万円程度
- シロアリ検査:1〜2万円程度追加
- 雨漏り検査(赤外線や散水調査):3〜10万円程度
診断結果は報告書としてまとめられ、購入前の価格交渉やリフォーム計画に役立てられます。
まとめ|中古住宅購入前は必ずシロアリ・雨漏り診断を
中古住宅は価格のメリットがある一方で、シロアリや雨漏りといった見えないリスクが潜んでいます。購入前に住宅診断を依頼し、床下や屋根の状態を確認することで、安心して住まい選びができるようになります。大切なマイホームを長く守るためにも、住宅診断の活用を強くおすすめします。