新築住宅を購入する場合
多くの方は「新しい家だから問題ない」と考えがちです。
しかし実際には、新築でも施工ミスや見えにくい不具合が発生することがあります。
住宅診断(ホームインスペクション)を活用することで
こうしたトラブルを未然に防ぎ、安心して新居での生活を始めることができます。
この記事では、新築住宅でも住宅診断が必要な理由と
特に見落としがちな5つのポイントを建築士の視点から解説します。
新築住宅でも住宅診断が必要な理由
新築住宅は確かに最新の建材や施工技術が使われていますが
以下のような理由で住宅診断が有効です。
- 施工ミスはゼロではない
大手ハウスメーカーでも、人の手作業で施工される部分には必ず誤差や不備が生じます。 - 住宅瑕疵保険ではカバーできない部分がある
瑕疵保険で補償されるのは構造部分や雨漏りなど限られています。細かい施工不備は見落とされやすいです。 - 入居後の修繕リスクを事前に回避できる
入居前に不具合を発見できれば、補修費用や生活への影響を最小限に抑えられます。
新築住宅で見落とされやすいポイント5選
1. 建具・ドアの開閉不具合
ドアや引き戸の建付けがずれていたり、スムーズに開閉できない場合があります。
小さな違和感でも長期的には大きなストレスになります。
2. 床の傾きや段差
床の水平が正確でないと、家具の設置に影響したり
生活していく中で違和感を感じます。
特に木造住宅では微妙な傾きが生じることがあります。
3. 壁や天井のひび割れ
施工時の乾燥や下地処理不足で、入居後にひび割れが出ることがあります。
新築でも完全に避けられるわけではありません。
4. 配管・設備の不具合
水回りや換気、給排水設備は入居後に初めて不具合が見つかることがあります。
水漏れや換気不足は早期発見が重要です。
5. 外壁・屋根の施工精度
目視ではわかりにくい箇所ですが
外壁の隙間や屋根の微妙なズレも将来的に雨漏りや耐久性の問題につながります。
住宅診断のメリット
新築住宅でも住宅診断を行うことで、以下のメリットがあります。
- 入居前に不具合を発見できる
- 修繕費用を抑えられる
- 建築会社との交渉材料になる
- 長期的な安心と快適性を確保できる
特に、新築だからこそ施工ミスを早期に発見できる点が大きな利点です。
住宅診断を依頼する際のポイント
- 建築士資格を持つ専門家に依頼する
新築住宅の診断でも、構造や設備の知識が豊富な建築士に依頼することが安心です。 - 施工中または完成直後のタイミングで行う
引き渡し前に診断することで、修繕対応がスムーズになります。 - 報告書を必ず受け取る
写真や指摘箇所を明確にした報告書があれば、補修や保証請求に活用できます。
まとめ
新築住宅でも住宅診断は決して無駄ではありません。
施工ミスや設備不具合はゼロではなく
入居後に発覚すると大きな手間や費用が発生することもあります。
特に、建具・床・壁・配管・外壁・屋根のチェックは見落とされやすく
住宅診断で事前に確認することが大切です。
新築でも安心して暮らすために、建築士による住宅診断を検討してみましょう。
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