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防湿シートと可変防湿シートの違い|断熱改修で最も失敗しやすい“壁内結露”を防ぐ方法【設計士が解説】

「家の断熱って、どれを厚くすればいいんですか?」
最近の相談で、そう聞かれることが本当に多くなりました。
でも、断熱材より先に“絶対に知っておいてほしい”ものがあります。

それが 防湿シート、そしてその進化版である 可変防湿シートです。

壁内の湿気の流れと防湿シートの役割を示す図

■ 「断熱材を良くしたのに結露した家」が増えている

冬になると、押入れの奥がしっとりするんです…。

壁の中から“カビ臭”がする気がして。

断熱改修をした後、そんな相談が意外なほど多いのをご存じでしょうか。

断熱材を良いやつに変えたのに、なんで結露しちゃうんですか?

匿名の設計士
匿名の設計士

……実は、断熱材より先に“湿気の逃げ道”が問題になる時代なんです。

性能の高い断熱材を入れると、室内があたたかく保てる反面、
壁の中の温度差が大きくなり、湿気が結露しやすくなる
だからこそ、防湿層の設計が必須というわけです。

断熱リフォームは“個別の家の構造”によって正解がまったく変わります。
一度プロに相談しておくと、余計な工事を避けられるケースも多いです。

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■ 防湿シートとは?素人でも分かる一番シンプルな説明

防湿シートは、

「室内の湿気が壁の中に入り込まないようにする透明のバリア」

と言えばイメージしやすいと思います。

  • 室内 → 湿度が高い
  • 壁内 → 冷える
  • 湿気が流入 → 冷えた部分で水滴(壁内結露)になる

とても地味ですが、
施工位置を間違えるだけで壁内結露の原因になります。

防湿シートを室内側に施工している写真

■ 「可変防湿シート」は何が違う?

可変防湿シートは、

冬は湿気を止め、夏は湿気を逃がす
という“変身するシート”です。

冬(乾燥)
→ 分子構造が締まり湿気を通さない
夏(湿度高い)
→ 分子構造が開き湿気を通す=壁内の乾燥を助ける

普通の防湿シートは“一年中湿気を通さない”ので、
現代の高断熱住宅では、壁内が乾きにくい弱点が出てきます。

可変防湿シートが季節で透湿抵抗を変える仕組みの図

■ 少し前まで「プロでも軽視していた」事実

10〜15年前は、

「防湿層?まぁ貼っておけばいいでしょ」

という現場が本当に多かったのです。
(私自身、昔は湿気に対する認識が甘い時期がありました)

しかし、高断熱化が進むと同時に、
“防湿層の施工ミスで壁内結露” が全国で急増。
そこで業界全体がようやく目を覚ました、という流れがあります。

つまり——
防湿の正しい知識が一般に広まったのは最近の話なのです。


■ だからこそ「1981〜2000年の家」は要注意

日本の住宅は、

  • 1981年:新耐震基準
  • 2000年:新省エネ基準(防湿・気流止めがしっかり明記)

という大きな境目があります。

この間の住宅は、

  • 断熱材が薄い
  • 防湿シートが雑 or 無い
  • 気流止めが無い
  • 壁内がスカスカで外気が回りやすい

という構造が非常に多い。

この年代の家を “部分的に断熱改修” すると——

断熱だけ上がって、防湿が追いつかず、壁内結露が発生する
(最悪、構造材の腐朽)

というパターンが本当に多いのです。

断熱リフォームしたのに前よりカビが…。

……年代特有の“罠”があります。

匿名の設計士
匿名の設計士

この年代の住宅は特に“現地調査でしか分からない点”が多いため、
無料相談サービスを活用して、事前に方向性を確認しておくと安全です。

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■ 防湿シート選びの結論

新築・フルリノベ → 可変防湿シートが最適
部分断熱リフォーム → 既存壁の状況で変わる
施工位置・連続性・穴あき対策が必須

防湿シートは地味ですが、
家の寿命を大きく左右する重要パーツです。


■ 関連リンク(内部・外部)

▼ 内部リンク(過去記事)

より深く理解したい方は、こちらも参考になります。
→ 断熱材の選び方完全ガイド|断熱等級6・7対応【2025年版】

▼ 参考外部リンク

断熱リフォームは「やるべき場所」と「やらなくていい場所」の判断が難しいため、
第三者のプロに一度相談しておくと、ムダな出費を防げます。

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