断熱改修を検討し始めると、
ほぼ必ず出てくる疑問があります。
で、いくらかかるの?
ネットで調べると、
- 50万円でできる
- 200万円は見ておいた方がいい
- 補助金を使えば安い
と、書いてあることはバラバラ。
正直、どれが自分の家に当てはまるのか
分からなくなります。
この記事では、
断熱設計とリフォームに日常的に関わっている
設計士の立場から
- 断熱改修の費用が決まる仕組み
- 部位別×工法別の相場目安
- 見積金額がブレる本当の理由
を、営業抜きで整理します。
断熱改修の費用は「どこを・どうやって」やるかで決まる
最初に大事な前提から。
断熱改修の費用は、
断熱材の種類よりも「工事の内容」で
ほぼ決まります。
具体的には次の3点。
- どの部位を断熱するか
- 既存の仕上げを壊すか・壊さないか
- 住みながら工事できるか
同じ「断熱改修」でも、
条件が変われば金額は簡単に2〜3倍ズレます。
【早見表】断熱改修の費用相場(2026年版)
天井・屋根の断熱改修
| 工法 | 費用目安 |
|---|---|
| 天井裏に断熱材を敷き込み | 30〜60万円 |
| 吹き込み断熱(セルロース等) | 40〜80万円 |
| 屋根断熱(室内側から) | 80〜150万円 |
特徴
- 工事しやすく、費用対効果が高い
- 「まずここから」が正解なケースが多い
床下・床の断熱改修
| 工法 | 費用目安 |
|---|---|
| 床下から断熱材施工 | 40〜70万円 |
| 吹付け断熱 | 50〜90万円 |
| 床を剥がして施工 | 80〜150万円 |
注意点
- 床下高さ・湿気状況で施工可否が変わる
- 安い見積は断熱欠損が起きやすい
壁の断熱改修
| 工法 | 費用目安 |
|---|---|
| 充填断熱(内壁解体) | 150〜300万円 |
| 外張り断熱(外壁改修) | 250〜500万円 |
| 部分断熱 | 80〜150万円 |
正直な話
- フル断熱は高額
- 「効果が出る家」と「出ない家」が
はっきり分かれる
窓の断熱改修
| 工法 | 費用目安 |
|---|---|
| 内窓(二重窓)設置 | 20〜60万円 |
| 高断熱サッシ交換 | 80〜200万円 |
| ガラス交換のみ | 15〜40万円 |
補足
- 体感改善は最速
- 補助金対象になりやすい
なぜ断熱改修の見積金額はここまで差が出るのか?
理由はシンプルです。
「断熱性能」を数値で保証していない工事が
多いから。
- 断熱材の厚みだけ指定
- 施工精度は現場任せ
- 気密処理は曖昧
この状態だと、
安くも高くも見積が作れてしまう。
つまり、
金額の差=性能の差
とは限らない、ということです。
ここで多くの方がつまずくのが、
「じゃあ、どこを基準に
判断すればいいのか分からない」
という点です。
実は、断熱改修の見積金額は
どの断熱等級を目指すかによって、
適正かどうかの見え方がまったく変わります。
断熱等級4・5・6・7で、
性能・費用・体感がどう違うのかは、
こちらで整理しています。
👉 断熱等級4・5・6・7の違い
|性能・費用・体感温度の早見表
「安い断熱改修」で失敗する典型例
- 一部だけ断熱して寒さは残る
- 結露が増える
- 冷暖房費がほとんど下がらない
設計士目線で言うと、
一番多い失敗は「部分最適」です。
断熱改修は「断熱材選び」だけで決めない
断熱改修の費用を正しく判断するには、
- 断熱材の種類
- 施工方法
- 断熱等級との関係
をセットで理解する必要があります。
断熱材そのものの選び方や、
断熱等級6・7との考え方については、
こちらで整理しています。
👉 断熱材の選び方完全ガイド
|失敗しない断熱リフォームと断熱等級6・7対応
設計士としての結論
断熱改修の費用は、
- 安さで選ぶと、効果が出ない
- 高さで選ぶと、過剰になりやすい
「自分の家に必要な範囲」を見極めること
これが一番コストを抑えます。
もし見積を取るなら、
金額を見る前に必ず聞いてください。
![]()
この工事で、
何がどこまで改善されますか?
この質問に、
数字や根拠で答えられない業者は、
たとえ安くても避けた方が無難です。


