断熱改修や新築を検討し始めると、
多くの方がこんな壁にぶつかります。
![]()
断熱等級6がいい?
それとも7?
そもそも、
うちの地域で
そこまで必要?
ネットを見ると「高断熱が正義」という情報は
山ほどありますが、
断熱仕様に“全国共通の正解”はありません。
同じ断熱等級でも、
地域区分が違えば、
最適な仕様はまったく変わります。
この記事では、
断熱設計を日常的に扱っている設計士の立場から
- 地域区分ごとに考える断熱仕様の考え方
- 寒冷地〜温暖地で「やりすぎ」にならない目安
- 断熱等級・仕様選定で失敗しない判断軸
を、早見表+実務目線で整理します。
なぜ「地域区分」を無視すると失敗するのか
断熱性能は、
どれだけ熱を逃がさないかの話です。
当然ですが、
- 外が寒い地域
- 冬の期間が長い地域
ほど、
断熱に求められる性能は高くなります。
ところが実際の相談では、
![]()
知人が等級6にしたから
YouTubeで
7が良いと言っていたから![]()
という理由で、
地域条件を無視した断熱仕様が
選ばれることが少なくありません。
結果として、
- コストに対して体感差が小さい
- 施工難易度だけが上がる
- 別の性能(気密・換気)が追いつかない
という「もったいない家」になりがちです。
地域区分別|おすすめ断熱仕様 早見表【目安】
※以下は 「最低限、失敗しにくい目安」 です。
※実際の快適性は、
施工精度・気密・換気計画で大きく変わります。
| 地域区分 | 主なエリア例 | 現実的な断熱等級目安 | 断熱仕様の考え方 |
|---|---|---|---|
| 1・2地域 | 北海道・一部東北 | 等級6〜7 | 厚み+施工精度最優先。 等級7は 設計力必須 |
| 3地域 | 東北・甲信 | 等級6 | 壁・天井の 断熱バランスが重要 |
| 4地域 | 関東・北陸 | 等級5〜6 | 等級6はコスパ良。 7は慎重に |
| 5地域 | 東海・関西 | 等級5〜6 | 気密と 日射遮蔽の 設計が鍵 |
| 6地域 | 九州北部 | 等級5 | 厚みより施工品質を 優先 |
| 7地域 | 九州南部 | 等級4〜5 | 断熱より 通風・日射対策が重要 |
「寒冷地だから厚くすればいい」は危険
寒冷地では確かに高断熱が有効ですが、
厚みを増やせば
必ず快適になるわけではありません。
よくある失敗例👇
- 壁だけ厚くして、床・基礎が弱い
- 高性能断熱材だが施工が雑
- 断熱は強いが、換気計画が追いついていない
この場合、
等級7でも寒い・結露することは普通に起こります。
温暖地で「等級7」が必ずしも正解ではない理由
5〜7地域では、
- 冬より夏の対策が重要
- 日射遮蔽・通風・庇設計の影響が大きい
にもかかわらず、
断熱等級だけを上げると、
- 夏に熱がこもる
- 冷房効率が悪い
- 費用対効果が合わない
というケースもあります。
「高断熱=万能」ではない
これが設計側の実感です。
それでも迷う人へ:次に見るべき視点
ここまで読んでも、
![]()
じゃあ、結局
等級はいくつが妥当なの?
体感や費用は
どれくらい違うの?
と感じる方は多いはずです。
そこで次に確認してほしいのが、
断熱等級そのものの違いです。
👉 断熱等級4・5・6・7の違い
|性能・費用・体感温度の早見表【2026年版】
では、
- 等級ごとの体感差
- 費用感の違い
- 設計者目線の「おすすめライン」
を整理しています。
断熱仕様を体系的に理解したい方へ
断熱材の種類・厚み・工法・考え方を
一度きちんと整理したい方は、
👉 断熱材の選び方完全ガイド|失敗しない断熱改修と断熱等級6・7対応
にまとめています。
個別記事を点で読むより、
全体像を掴んだ方が、業者選びで失敗しません。
設計士として、最後に一つだけ
断熱仕様は、
- 数字だけで決めるものではなく
- 流行で決めるものでもありません
あなたの地域・家の条件・施工力
これらが揃って、初めて意味を持ちます。
「高性能そうだから」ではなく、
納得して選べる状態を作ること。
それが、
業者に丸め込まれない一番の近道です。


