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断熱リノベーションで後悔しないために ― 現場からのリアルな話

既存住宅の断熱リノベーションは、
「やってよかった」という声が多い一方で、
施工方法や選択を誤ると後悔が残りやすい分野
でもあります。
20年ほど設計に携わってきた立場として、
思うことがあります。

匿名の設計士
匿名の設計士

断熱は
“見えない工事”だからこそ、
正確さが命なんです。

今回は、匿名だからこそ言える
“本当に大事なポイント” をまとめておきます。
これらを知っておくと、
工務店選びもリノベの精度も大きく変わります。

断熱リノベーションの効果を示す温度比較イメージ(サーモグラフィー)

断熱ラインを「つなげる」ことが何より大切

断熱改修で最も多い後悔ポイント。それは——

部分的に断熱しただけで、
思ったほど暖かくならなかった

壁だけ、床だけ、天井だけ…という施工は
断熱ラインが途切れ、性能が十分に発揮されません。

壁の断熱を厚くしたのに、
足元が寒いんです。

匿名の設計士
匿名の設計士

断熱は連続させないと
十分な効果は得られませんよ。

断熱は“家全体でひとつの容器”。
どこかに穴があると、
そこから熱が逃げてしまいます

断熱ラインの考え方については、
こちらの記事(内部リンク:断熱材・断熱改修)でも
詳しく解説しています。


既存住宅は「湿気と結露」への配慮が必須

断熱材を入れるだけでは不十分で、
特に木造住宅では 湿気対策が最重要

・気密シートの連続性
・配管周りの処理
・既存壁の湿気残り
・断熱材の吸湿による性能低下

これらを無視して施工すると、
知らないうちに
内部結露 → カビ → 構造劣化
という最悪のケースにもつながります。

匿名の設計士
匿名の設計士

土壁と断熱材の共存は難しいので
特に十分な検討が必要ですよ!


既存窓は“最大の弱点”——窓断熱は必ず検討を

二重窓・樹脂サッシ・Low-Eガラス性能の比較図

断熱リノベーションで効果を
体感しやすいのは 窓の性能向上 です。

  • 内窓(二重窓)
  • 樹脂サッシへの交換
  • Low-E複層ガラス
  • 日射取得型/日射遮蔽型の選び方

窓面積が大きいほど、
ここを改善すると効果が
劇的に変わります。

内窓の追加だけなのに、
暖房の効きが全然違いますね。

匿名の設計士
匿名の設計士

窓は“熱の出入口”ですから、
改修の優先順位はとても高いです。


断熱材の選び方は“住宅の状態”で変わる

断熱材には多くの種類がありますが、
既存住宅リノベでは“正しい選択”がとても重要です。

  • グラスウールは施工精度の影響が大きい
  • 吸湿リスクがある家は木繊維断熱材が有利な場合も
  • 薄い壁には高性能フェノールフォーム
  • 隙間が多い家は吹付断熱が有効

「どの断熱材が一番良いか?」ではなく、
「家の状態に合うかどうか」 が最優先です。


施工の精度は“現場監理”で大きく変わる

断熱リノベの失敗原因の
7~8割は施工精度にあります。

  • 隙間
  • 圧縮
  • 配管まわりの処理不足
  • 気密テープの貼り漏れ

見えなくなる部分だからこそ、
信頼できる監理体制が不可欠です。

匿名の設計士
匿名の設計士

正直に言うと、
誰が施工するかで
断熱性能は
大きく変わります…。

そんなに違うんですか?

匿名の設計士
匿名の設計士

はい。
断熱は“材料より腕”なんです。


なお、
「うちの家はどの断熱方法が
適しているのか知りたい」という方は、
無料で利用できるオンラインの
【家づくり相談所】 を活用するのも一つの方法です。
第三者的な立場でアドバイスがもらえるので、
工務店選びに迷っている方にも向いています。


まとめ

断熱リノベーションで後悔を避けるには、

  • 断熱ラインを連続させる
  • 湿気・気密への配慮を怠らない
  • 窓断熱は優先度が高い
  • 断熱材の選択は“家ごとに最適解”
  • 施工精度が性能を決める

これらを押さえることが重要です。

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