断熱材って、防音もできるんですか?
リフォーム相談で、ほぼ毎日のように聞かれる質問です。
匿名の設計士として、
表ではなかなか言えない“本音”も含めて、
静けさのつくり方を正直にお伝えします。
● 断熱材=防音材ではない。しかし“効果は出る”
まず結論から。
断熱材は防音材ではないけれど、音は確実に減ります。
え、じゃあ断熱材だけで
静かになるんですか?
“静かになる場合がある”。
これが正確ですね。
遮音は質量、吸音は繊維密度。
この2つが揃ったとき、生活騒音は大きく下がります。
● 防音性能の高い断熱材とは?(実際の現場目線)
セルロースファイバー:最もバランスがいい
・高密度で吸音性が高い
・隅々までパンパンに充填できる
・断熱+防音を両立
・ただし施工精度が命

高性能グラスウール:コスパ最強の防音材
吸音に優れ、適切に施工すれば音は大きく減ります。
ただし、隙間があると音は“漏れます”。
隙間って、
そんなに影響するんですか?
音は水と同じ。
逃げ道があれば、全部そこへ流れます。
外張り断熱(硬質ボード系):低音にやや弱い
・太鼓現象を起こしやすい
・高音はある程度抑えられる
・防音目的なら単独では使わない
● 防音で大事なのは“素材”よりも“施工精度”
施工の粗さが、そのまま生活音として返ってきます。
・柱周りの隙間
・配線穴の処理
・間柱の浮き
・石膏ボードのビスピッチ
どれひとつ欠けても、音は抜けます。
外部リンク
👉 日本環境アメニティ(株)|やさしい防音講座
● 窓の防音を忘れると“ほぼ無意味”
壁だけ頑張っても、音の50〜70%は窓から入ります。
防音目的なら、
・内窓(二重窓)
・防音合わせガラス
・樹脂サッシ
は必須です。
👉 窓断熱リフォームの徹底解説(過去記事)
https://sumai-knowledge.com/dannetsu-renovation/insulation-choice-guide/

● 防音リフォームの費用感(目安)
| 部位 | 費用 | 効果 |
|---|---|---|
| 壁(セルロース) | 12〜18万円/坪 | ◎ |
| 壁(高性能GW) | 7〜10万円/坪 | ◯ |
| 内窓(大サイズ) | 6〜10万円/枚 | ◎ |
● 静けさのつくり方は“専門家との事前相談”で左右される
どの組み合わせが
私の家にベストなんでしょうか?
正直、家の構造・間取り・音源を
見ないと判断できません。
家ごとに最適解は違うので、
もし迷っているなら 無料で専門家に相談 しておくと失敗が激減します。
👉 無料で利用できるオンラインの
【家づくり相談所】
静かな住まいを実現したい人には特におすすめです。
● まとめ:断熱材だけで静けさはつくれない
・断熱材の種類で防音性能は変わる
・施工精度が何より重要
・窓対策が必須
・家ごとの最適解は異なる
静けさは“組み合わせ”で決まります。
断熱と防音を両立した「静かな住宅」は、正しい施工と適切な設計で必ずつくれます。


