断熱リフォームをしたら
カビが増えたんですが…。
リフォーム相談で、実はよく耳にする一言です。
本来は“家を暖かくするはず”の断熱リフォーム。
しかし、施工の方向性を誤ると、逆にカビが発生しやすい家になってしまうことがあります。
この現象を、私は現場で “カビ逆流” と呼んでいます。
断熱を入れることで 壁の中に湿気が溜まり、逃げ場を失い、室内側に逆流するようにカビが広がる 状態です。
■なぜ断熱リフォームでカビが増えるのか?

理由はシンプルで、次の3つです。
- 部分断熱で温度ムラができる
- 防湿層の位置が間違っている
- 既存の断熱材の湿気を閉じ込めてしまう
◆部分断熱の温度ムラ
予算の都合で
“北側の部屋だけ断熱”ってアリですか?
結論、カビ発生の典型例です!
部分的に断熱すると、
→ 断熱した部屋は暖かい
→ 隣接空間は冷たい
→ その境目で結露が起きる
という温度ムラが発生します。
特に既存住宅では、
外壁内部に湿気が溜まりやすくなる
“片寄った断熱ライン”が問題になりがちです。
◆防湿層の誤った位置

断熱リフォームで最も多い失敗がこれ。
本来、防湿層(防湿シート)は
“室内側”に連続して施工されるべき ものですが、
- 途中で切れている
- 電気配線まわりが穴だらけ
- そもそも室内側でなく外側に施工してしまう
など、湿気が止められず壁内結露が発生します。
外壁側の防水層と、
室内側の防湿層の 位置と連続性 を
理解していないと、カビは必ず発生します。
◆古い断熱材の“湿気”を閉じ込める

既存住宅のグラスウールは、内部に湿気を含んでいることが多いです。
そこに「新しい断熱材を上から足す」だけの施工をすると、
- 古い湿気
- 新しい断熱
- 防湿層の不整合
この“湿気密閉サンドイッチ”が完成し、カビ逆流が加速します。
■カビ逆流を防ぐ断熱リフォームのポイント
- 部分断熱ではなく“断熱ラインの連続性”を優先する
- 防湿層は室内側で連続させる(穴をつくらない)
- 古い断熱材は撤去・乾燥・調査が基本
- 壁の中の湿度予測(WUFIなど)も可能なら活用
- 第三者相談サービスも活用する
■「じゃあ、我が家では何を優先すれば?」
結局、どこから手をつけたらいいですか?
“断熱の連続ライン”を守るところからです。
外壁断熱をするなら、
→ 天井・床との接点の処理
→ 防湿層の連続性
これが守れて初めて“暖かくてカビない家”になります。
断熱の基本構造や、リフォーム全体の考え方はこちらに詳しくまとめています:
👉 断熱材・断熱改修の完全ガイド
(施主が誤解しやすい基礎知識も丁寧に整理しています)
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