
大開口や吹き抜けのある家は地震に弱いって聞きました。
本当ですか?
結論からいえば——
大開口や吹き抜けは“弱い”のではなく、“弱点になりやすい” というのが正確です。
ただし、設計条件を満たせば安全に作れます。
この記事では、設計士として、
「大開口や吹き抜けと耐震性の関係」を
初心者でも分かるように本音で解説します。
大開口・吹き抜けはなぜ耐震的に“不利”なのか?
【壁量が不足しがち】
吹き抜けや大開口を作ると、
耐震の要となる 耐力壁の確保が難しくなる ためです。
南全面を大開口にしたいんです!
気持ちは分かります。
ただ、その分どこかで壁を“補う”必要があります。
壁を取れば取るほど、家は弱くなる。
これは構造の基本原則です。

【家が“片側に弱い”構造になりやすい】
大開口はリビング側に集中します。
その結果、
- 片方に壁が多い(強い)
- 片方に壁がほとんど無い(弱い)
というアンバランス構造が起きる。
これが地震時に「ねじれ」を生み、倒壊リスクを高めます。
【吹き抜けは“縦方向の壁量”が抜ける】
吹き抜けをつくると、上下階の壁がつながらず
家がハシゴのように 細く・弱く なります。
階段室や廊下で吹き抜けを無計画に作ると、
特にバランスが崩れやすいです。
では、大開口・吹き抜けは“ダメ”なのか?
結論:
正しい条件を守れば、安全に作れます。
過去記事となる
「耐震改修・住宅構造ガイド」
にも書いてありますが、
大切なのは “避ける” ではなく “条件を満たす” こと。
安全に大開口・吹き抜けをつくるための5つの条件
条件1:耐力壁の“絶対量”を確保する
大開口によって失われた壁量を、
- 隣の部屋
- 2階の配置
などで“取り返す”発想が必要です。
条件2:耐力壁を左右バランスよく配置する
構造の黄金ルール:
「左右に同じだけの強さを持たせる」
これが守られていれば、ねじれは起きにくくなります。
条件3:吹き抜けの下には“補強梁”を入れる
吹き抜けは
- 大梁
- 架構の補強
で強度を確保します。
吹き抜けを入れるなら、梁せい(高さ)を上げて構造を強くする必要があります。

条件4:耐震等級3(できれば構造計算付き)を必須で検討
吹き抜け・大開口がある家というのは、
通常の住宅より強度調整が必要です。
そのため、
耐震等級3(許容応力度計算付き)
が強く推奨されます。
条件5:開口部には“耐震開口フレーム”を使う
- 鉄骨フレーム
- 集成材フレーム
など、開口補強用のフレームを使えば、
大開口でも十分な強度が確保できます。
逆に「やってはいけない大開口・吹き抜け」
- 吹き抜けが建物中央にドンとある
- 1階がスカスカで2階が重い
- 開口部に補強が無い
- 耐震計算をしていない
- 片側だけに窓を集中
- 柱を抜いて家具のために壁を減らす
これらはすべて地震に弱くなる典型例。
大開口・吹き抜けの“安全性チェックリスト”
□ 耐力壁量が足りている
□ 左右の強さがバランスしている
□ 吹き抜けの下に補強梁がある
□ 耐震等級3で設計している
□ 開口部にフレーム補強がある
□ 無計画に壁を抜いていない
3つ以上✕なら、耐震性に懸念があります。
大開口・吹き抜けは「耐震補強」と相性が悪い?
既存住宅の場合、
吹き抜けを後付けするのは難しい
ですが、
大開口の後付け(壁撤去)は可能なケースも多いです。
ただし、
壁を抜いた分、
- 鉄骨フレーム
- 壁量補強
- 梁補強
が必要となり、費用はそれなりに上がります。

参考:公的な構造ガイドライン(外部リンク)
耐震性の考え方は
国土交通省の木造住宅のガイドラインで整理されています。
→ 「木造軸組工法住宅の設計の手引き(国交省)」
大開口や吹き抜けを“安全に実現する”最短ルート
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▼まとめ
- 大開口・吹き抜けは“弱い”のではなく“弱点になりやすい”
- 壁量・バランス・梁補強・開口フレームが鍵
- 正しく設計すれば耐震等級3で十分安全
- 無計画に壁を抜くのは絶対NG
- 必ず構造に強い会社と相談を


