耐震補強って、まず壁?それとも金物?
初回相談で、ほぼ毎回こう聞かれます。
でも実は、“最初に効く”のは屋根の軽量化なんです。
意外ですよね。
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えっ…屋根ってそんなに関係あるんです?
はい、かなりあります。構造の“根本”が変わるので。
匿名の設計士
屋根の重さは、地震の揺れを大きく左右します。
しかも 費用対効果が高い補強 なのに、一般の方にはあまり知られていません。
ここでは、耐震のプロとして“本音で”解説します。
なぜ“屋根”から耐震補強すると効くのか?
・理由①:重い屋根は、建物を“しならせて”揺れを増幅させる
瓦屋根(和瓦・洋瓦)は60kg/㎡と非常に重く、
昔の住宅ではその重量が建物に大きくのしかかっています。
軽い金属屋根に変えると、屋根重量が、およそ1/12になります。
匿名の設計士地震力は“建物の重さ×揺れ”で決まるので、
屋根だけ軽くしても揺れ方がまったく変わります。
・理由②:壁量&金物補強だけでは“上が重い”問題は解決しない
壁を強くしても、屋根が重すぎると振られます。
逆に屋根が軽いと、
- 壁量が同じでも倒れにくい
- 金物補強の効果が出やすい
- 偏心の影響も減る
というメリットが出ます。
・理由③:助成金の対象になりやすい(自治体による)
屋根の軽量化は
“耐震改修”として補助金対象になっている自治体が多い のもポイント。
(例:東京都の耐震助成制度など)
※実際の制度は自治体HPで要確認
→【外部リンク①:国土交通省「住宅の耐震化」】
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_fr_000043.html
屋根の軽量化でどれくらい耐震性が向上する?
結論:
軽量化だけで耐震等級が上がるわけではないが、倒壊リスクは大きく下がる。
耐震診断でも
- 屋根が重い→評点が下がる
- 屋根を軽くすると→評点が上がる
といった変化がよく見られます。

軽量化に使われる屋根材は?
■金属屋根(ガルバリウム鋼板)
- 重量:瓦の約1/12
- 耐久性:25〜35年
- 施工性:よい
- コスト:瓦より安い

■軽量スレート(カラーベスト)
- 瓦より軽い
- 価格は比較的安い
- 劣化しやすいので、防水メンテは必須
費用相場|金属屋根への葺き替えはどれくらい?
一般的な30坪の住宅で…
●既存瓦の撤去+下地調整+金属屋根葺き替え
→ 120〜200万円
意外と「耐震補強の中でも費用対効果が大きい」項目です。

屋根軽量化の落とし穴(重要)
ただ軽くすればいい、わけではない
屋根材選びだけで判断すると危険です。
・野地板の劣化
・垂木のサイズ不足
・小屋組みの耐力不足
このあたりは専門家が見ないと判断できません。
→【外部リンク②:日本建築防災協会「木造住宅の耐震診断」】
https://www.kenchiku-bosai.or.jp/taishin_portal/daredemo_sp/
雨仕舞いの納まりが適当だと雨漏りのリスクが上がる
特に
- 谷部
- 棟部
- 壁際
ここは職人の腕が出る部分。
屋根工事は“安いだけ”で選ぶと事故率が高いジャンルです。
“屋根だけ”で耐震性が十分になるわけではない
屋根を軽くしたら、次は
- 壁量の確認
- 偏心率
- 金物補強
- 基礎の状態
ここまで見ると耐震性能は一気に安定します。
“どこまで補強すれば安心?”は、過去記事でわかりやすく整理しています
👉 関連記事:
「耐震改修・住宅構造ガイド|後悔しない家づくりのポイント(2025年版)」
https://sumai-knowledge.com/taishin-renovation/taishin-house-check/
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