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地盤調査の種類と“誤解されがちな判定基準”を匿名設計士が解説

住宅の耐震性を語るうえで、構造より前に必ず確認すべきものが地盤です。

地盤調査って無料でやってくれるって聞いたんですけど、どんな調査なんですか?

“無料”と言いつつ、内容は会社によってピンキリなんです。
むしろそこが一番の落とし穴です。

匿名の設計士
匿名の設計士

この記事では、初心者ほど誤解しやすい地盤調査のポイントを、やさしく・正確にまとめます。


地盤調査には大きく3種類ある

戸建て住宅の地盤調査の種類と特徴をまとめた図

地盤調査と聞くと「SWS 試験(スクリューウェイト貫入試験)」がまず思い浮かびますが、実際には複数あります。

SWS試験(一般的な戸建てで最も多い)

・戸建て住宅で8割以上が採用
・機械のねじを回転させ、地中の抵抗を測る
・費用は比較的安く、データもシンプル

ただし、粘性土や砂質土によってデータの読み取りが難しくなるため、
「N値相当」などの表記が誤解を生むこともあります。


ボーリング調査(より精密)

・深度方向の土質を直接採取して確認
・建物の規模が大きい場合や、地盤リスクが高い地域で選択
・費用はSWSの3~5倍ほど

ボーリングは“保険のような安心感”がありますね。

匿名の設計士
匿名の設計士

そんなに違うんですか?

“地盤の実物を採ってくる”という段階で、精度は段違いです。

匿名の設計士
匿名の設計士

国土交通省「地盤調査の概要」
地盤工学会の基礎資料


表面波探査(水平地盤の硬さを測る方法)

・地震波の伝わり方を利用して地盤の硬さを推定
・地盤改良の可否判断にも使われる
・「深度の精度」に限界があるため、単独使用より補助的利用が多い


地盤の「判定ランク」は会社ごとに基準が違う

実は、これが最も誤解されている点です。

多くのハウスメーカーでは

  • 改良不要(A)
  • 要注意(B)
  • 改良推奨(C)
    などの判定を出しますが、このA~Cは“会社の基準”であって、全国共通ではありません。

“改良は不要”=“安全”ではないケースもある

例えば、木造2階の小さな家なら改良不要でも、
同じ地盤に重量のあるRC3階を建てると改良が必要というケースは普通にあります。

つまり、
建物の重さ × 地盤の硬さ
のバランスで判断すべきなのに、「A=安全」だと誤解されがち。


地盤の“リスクの種類”は1つではない

液状化・不同沈下・造成履歴など地盤リスクの説明図

地盤トラブルは「軟弱地盤」だけだと思われがちですが、実際には複数あります。

液状化のリスク

沿岸部・埋立地・砂質土で要注意。
SWS単体では判断できず、詳細検討が必要。

不同沈下のリスク

角地・盛土・谷埋めなどで発生しやすい。
平坦な土地でも“宅地造成履歴”が重要。

地盤と基礎形式の相性

同じ地盤でも、
・布基礎 → NG
・ベタ基礎 → OK
みたいなケースもあります。


よくある誤解:「地盤調査は無料=どこも同じ」

無料の理由は、建築会社が負担する前提の“営業経費”であり、
中身の濃さは会社ごとに全く違います。

無料調査の“危険な例”

・SWSを3ポイントしか打たない
・改良工事ありきの判定を出す
・造成履歴の調査がない
・地歴の聞き取りをしない

地盤は目に見えないため、
「安ければ同じだろう」と思いがちですが、最終的に困るのは住む人です。


地盤調査で“最優先すべき”ポイント

初心者は細かいデータより、以下をまず押さえるべきです。

  • 調査ポイント数(最低5点)
  • 調査方法の説明があるか
  • 地歴(造成履歴)の確認
  • 基礎の設計者が調査結果を「どう読み取るか」

調査データは“読む人の腕”で、結論が変わることもあります。

匿名の設計士
匿名の設計士

そんなに?

地盤は奥深いんです。
家の安全性の半分は地盤で決まりますから。

匿名の設計士
匿名の設計士

地盤に不安があるなら、専門相談を使うのも手

多くの方が最終的にぶつかるのは
「この判断で本当にいいのだろうか?」という不安です。

構造や性能、間取り、土地条件、コストバランス…。
部分的な知識は集められても、全体を俯瞰して整理することは意外と難しく、
情報が増えるほど迷ってしまうケースも少なくありません。

そんなときに役立つのが、
住宅購入を検討する段階から、中立的な立場で相談できる窓口です。
特定の会社を勧める前提ではなく、
「何を大切にすべきか」「優先順位はどこか」を一緒に言語化してくれるため、
家づくりの軸が自然と定まっていきます。

全国対応・オンライン相談が可能なので、
忙しい方でも無理なく利用でき、
住宅ローンや予算、土地、間取りといったテーマもまとめて相談できるのが特長です。
ライフプランまで含めて無料で相談できる点も、安心材料のひとつでしょう。

もし今、
「情報は集めたけれど、判断に自信が持てない」
「プロの視点で一度整理してほしい」
と感じているなら、こうしたサービスを活用してみるのも一つの方法です。

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情報収集段階の方でも気軽に利用できます。


まとめ

地盤は、構造の強さ以前に“家そのものの安全性”を左右します。
調査方法・データの読み解き・造成履歴の確認など、
一見地味ですが家づくりで最も重要なステップのひとつです。

地盤が不安定なら、どれだけ耐震等級3の家でも安心とは言えません。
逆に、地盤が良ければ、標準的な構造でも十分安心できる家になります。

その他、基本的な耐震に関する情報は過去記事
耐震改修・住宅構造ガイド|後悔しない家づくりのポイント【2025年版】を参照

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