
近年の地震リスクの高まりにより、
「耐震補強は必要だと分かっている。でも“どこまでやれば安心なのか”が分からない」
という声を多く聞きます。
必要最低限の補強(建築基準法レベル)で、地震に耐えられますか?
耐えられる“可能性は上がる”けれど、安心感が段違いになるのは“推奨レベル(×1.25)”からです。
この記事では、設計士として、あなたが後悔しないための
「最低限レベル(建築基準法レベル)」
「推奨レベル(建築基準法レベル×1.25)」
「理想レベル(建築基準法レベル×1.5)」
の3つの補強ラインを、現場目線で分かりやすく解説します。
過去記事
▶ 耐震改修・住宅構造ガイド|後悔しない家づくりのポイント【2025年版】
(https://sumai-knowledge.com/taishin-renovation/taishin-house-check/)
で解説している基本知識も踏まえながら進めます。
耐震補強の“最低限レベル”とは?
■最低限レベルの目的
- 「倒壊リスクを下げる」ことに特化
- 建物の大きな弱点を取り除く作業
- 費用が最も抑えられる
最低限レベルとは、いわば
「このままだと危ない」箇所へのピンポイント補強
です。
▼最低限でやるべき代表的な項目
- バランスの悪い壁量の是正
- 劣化した筋かいの交換
- 腐食・シロアリ被害箇所の補修
- 基礎のひび割れ・欠損補修

最低限レベルは“やらないより良い”。
しかし 「安心できるか?」と聞かれたら、正直NO です。
“推奨レベル”の補強とは?(最も費用対効果が高い)
最低限に加えて、
- 家全体の耐力バランスを整える
- 変形しにくい構造へ導く
- 倒壊しにくさ + 損傷のしにくさを確保
が出来るのが 推奨レベル です。
▼推奨レベルの代表的な内容
- 耐力壁の追加(無理のない範囲で全体を調整)
- 金物の強化
- 劣化箇所の包括的補修
- 基礎の補強(布基礎→増し打ちで性能向上)
- 小屋裏や床下の水平構面補強
どの程度やれば“安心”できますか?
推奨レベルが“安心のライン”。
耐震等級で言えば1少し上〜2程度です。

■なぜ推奨レベルが最適なのか
- 成果が分かりやすい
- 費用と効果のバランスが良い
- 補強後の変形量が大幅減
- 家の“クセ”を矯正できる
つまり、
「ちゃんと効く補強をした」と言えるライン
です。
“理想レベル”の補強とは?(とにかく安心したい方向け)
理想レベルは、
- 耐震等級2~3相当
- 新築に近い構造性能
をめざす補強。
▼理想レベルの施工例
- 大規模な壁量バランス改善
- 構造用合板による耐力壁の全面強化
- 床・屋根・基礎の大規模補強
- シロアリ・湿気対策の包括的対応
- 長期的な劣化リスク対策

■設計士の本音
ここまでやれば“安心”は間違いありません。
しかし費用は大きくなるため、
「築年数が浅い」「立地が良い」「長く住む予定」など条件がそろっている場合に特に向いています。
最低限・推奨・理想を比較(あなたに合うのは?)
| 補強レベル | 目的 | 費用感 | 安心度 | 適した人 |
|---|---|---|---|---|
| 最低限 | 危険要素の排除 | ★ | △ | とりあえず倒壊リスクを下げたい |
| 推奨 | 家全体の性能底上げ | ★★ | ◎ | 費用と効果のバランスをとりたい |
| 理想 | 新築並みの耐震性 | ★★★ | ◎◎ | 長期間住むので万全にしたい |
参考外部リンク
公的機関による基準を確認するには以下が最適です。
▼
▶ 国土交通省|住宅の耐震化に関する情報
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_fr_000043.html
補強判断の裏付けとして利用できます。
耐震補強を検討するなら“比較”が必須
家づくりやリフォームの相談を受けていると、
「どの会社に頼めばいいのか分からない……」
という声を、本当に多く耳にします。
同じ工事でも、会社によって
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まとめ:安心のラインは“推奨レベル”。ただし条件次第で変わる
- 最低限:危険な箇所の除去
- 推奨:家のクセを直し、安心できる性能へ
- 理想:新築に近い高い耐震性能
もっとも多くの人が後悔しないのは「推奨レベル」です。
あなたの家の状態・予算・ライフプランに合わせて、
最適なラインを選んでください。


